メガクロックス(MEGACLOX)の効果と使い方
メガクロックス(MEGACLOX)の概要
メガクロックス(MEGACLOX)は、アンピシリンとジクロキサシリンが含まれた、合成のペニシリン剤です。
日本では「ビクシリンS」という名前で、Meiji Seika ファルマ(明治グループの薬品会社)から発売されている薬と同成分です。
海外では「メガペン(Megapen)」という名前で発売されている薬と同成分となり、メガペンのジェネリックとも言われています。
有効成分アンピシリンについて
多くの感染症で利用されるペニシリン系の成分です。
日本ではビクシリンという名前で発売されている薬に含まれている成分で、Meiji Seika ファルマ(明治グループの薬品会社)から発売されています。
対象となる菌の細胞が細胞壁を作るのを阻害する働きがあります。
菌はこの細胞壁がなければ生きていくことができず、この働きによって細胞壁が作れず、最終的に死滅することになります。
対象となる菌は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の一部と言われております。
これらの菌が原因の病気は無数にありますが、性病では特に梅毒が挙げられます。
梅毒の治療では、ペニシリン系の薬にアレルギーなどがない場合は、このアンピシリンを含んだ薬か、アモキシシリンを含んだ薬が第一選択薬としてあげられます。
有効成分ジクロキサシリンについて
ジクロキサシリンも同じくペニシリン系の薬です。
構造が少し違っており、それによってアンピシリンとは、違った特徴を持っています。
メガクロックス(MEGACLOX)を踏まえて特筆すべき点としては、ペニシリナーゼと呼ばれるペニシリン系の成分を分解する酵素に対して耐性があります。
(反対に、アンピシリンはペニシリナーゼによって破壊されてしまいます。)
ジクロキサシリンが含まれた薬は、日本では共立製薬株式会社から発売されています。
メガクロックス(MEGACLOX)の効果
メガクロックス(MEGACLOX)は、含まれる成分アンピシリンとジクロキサシリンの効果によって、対象となる細菌の細胞の、細胞壁を作る働きを阻害し、菌を死滅させます。
また、アンピシリンは広範囲の菌に対して効果がありますが、ペニシリナーゼと呼ばれる酵素を菌が作り出した場合、このペニシリナーゼによって破壊されてしまいます。
もう一つのジクロキサシリンはこのペニシリナーゼに対して耐性があり、ペニシリナーゼによって破壊をされないため、万が一ペニシリナーゼによってアンピシリンが破壊されても、ジクロキサシリンが引き続き菌を死滅させるための働きをしてくれます。
梅毒の治療では、このアンピシリンの成分は第一選択薬として使われることが多いです。
メガクロックス(MEGACLOX)の梅毒治療の使い方
メガクロックス(MEGACLOX)を梅毒の治療で利用する場合、梅毒のステージによって、服用期間が変わります。
軽度の場合は2週間程度の服用で治療を行う場合もありますが、ステージが上がって重度となっている場合は、3か月近く服用を続けることになります。
梅毒 ステージ | 服用期間 |
---|---|
梅毒 第1期 | 2~4週間 |
梅毒 第2期 | 4~8週間 |
梅毒 第3期 | 8~12週間 |
参考:性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016 日本性感染症学会誌
http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf