「オーグメンチン」梅毒治療での解説とレビュー



オーグメンチンはビーチャム製薬(現グラクソスミスクライン)から発売された、感染症治療のための薬です。

どんな特徴があるのか、また梅毒治療においてどんな使われ方をするのか、見ていきましょう。

オーグメンチンの有効成分について

オーグメンチンに含まれている有効成分はアモキシシリンとクラブラン酸カリウムという成分で、これらの働きによって感染症の菌を死滅させます。

このアモキシシリンh、細胞壁合成阻害剤というカテゴリーの薬の一種で、対象となる菌が細胞壁を作ろうとする際に、それを阻害します。

菌は細胞壁がなければ生きていくことができないため、細胞壁が合成できなくなると徐々に死滅していきます。

これが、細胞壁合成阻害剤の働き方です。

対象となる細菌はいくつもありますが、そのなかでもアモキシシリンが治療の第1選択薬剤となっている梅毒や、淋病での治療などの性感染症で、効果を発揮します。

薬自体は1980年代にアメリカで承認を受けて利用が始まっており、その後WHO(世界保健機関)が医療援助の際の必須薬品の一つとして、このオーグメンチンを必須薬のリストに挙げています。

非常に歴史があり、長く利用されている薬といえます。

梅毒治療の流れ

梅毒は感染したまま長期間放っておくと、神経などに重篤な被害をもたらすことがわかっています。

梅毒には感染のステージが定義づけられていて、感染期間が長くなると少しづつステージが進行し、ステージを進行するごとに症状がより明らかになっていきます。

具体的な症状は菌に侵されている部位によって変わってきますが、場所によっては症状があまり出ないこともあり、潜伏梅毒といった呼び名があるように、症状が不明なことも多々あります。

そのため本当に梅毒なのかどうかは、様々な検査を経てしっかりと確認をする必要があります。

実際に梅毒に感染した場合は、適切な治療が必要ですが、現在はアモキシシリンを含んだ薬が第1選択薬となっており、おおよそ1か月弱のサイクルで、治療の経過を見ながら治療を行っていくような流れになります。

もしこのアモキシシリンやペニシリン系の薬にアレルギーがある場合は、第2、第3選択薬として、ミノサイクリンとスピラマイシンといった成分が挙げられています。

ただ、実際はアモキシシリンによる治療を受けることが大半でしょう。

オーグメンチンはアモキシシリンを有効成分として含んでおり、梅毒菌も対象となっています。

ただし、直接オーグメンチンの名前が梅毒治療のガイドラインなどで登場することはなく、アモキシシリンのみが含まれる治療薬を使われることが多いでしょう。

淋病で利用される場合のオーグメンチンについて

オーグメンチンはその他の性感染症では、淋病の治療で利用されることが多々あります。

実は日本の性感染症学会のガイドライン上では、このオーグメンチンを利用して淋病を治療する方法は書いていません。

理由はおそらく他に効果がより高い薬があるからです。

セフトリアキソンやスペクチノマイシンといった、しっかりと効果を発揮することがわかっている薬が存在しており、一方のオーグメンチンは効果があることは認識していても、日本でどれぐらい効果を発揮するのか、まだ情報がしっかりと集まり切っていない、という状態です。

海外ではオーグメンチンが治療ガイドラインに記載されているケースもあり、国によっては第1選択薬として利用されることがあります。

このような背景から、たとえ日本のガイドライン上に記載はなくとも、海外事例から、医師によっては淋病治療で第1選択薬として使うことがあります。

殺菌力が強く、様々な菌に効果を発揮することは間違いないので、薬自体は古い薬ですが、現在でも現場の第一線で活躍してくれる薬となっています。

オーグメンチンの副作用について

オーグメンチンには副作用がいくつか報告されていますが、特に気を付けるべき点としては、過去にペニシリン系の薬に対するアレルギーなどの症状があったかどうか、です。

アレルギーによって突然ショック症状を起こしてしまう可能性があるので、まずは自身がペニシリン系の薬を使っても大丈夫なのか、確認が必要です。

その他は、伝染性単核症のある患者も、発疹を悪化させる可能性があるため、服用ができなくなっています。

服用前にはまず、自身が服用してよいのか、確認が必要です。

また副作用としては、5%-0.1%といった発生頻度で、発疹や嘔吐、下痢、食欲不振などがみられるとされています。

嘔吐や下痢、食欲不振などの症状は、状況を見ながら服用を続ける可能性もありますが、発疹の症状が出た場合は、すぐに治療を中止しなければならなくなっています。

また他にも同じ頻度で、好酸球増多という、血液中の好酸球が増える症状などが発生し、こちらも症状が出た場合はすぐに中止をする必要があります。

好酸球増多の症状は直接的には検査をしなければなりませんが、発熱や発疹、胸水、全身倦怠感など、体の全身で症状が現れることが特徴です。

このような症状が出た場合は、すぐに検査をして治療を中止する必要があるでしょう。

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タグ:アモキシシリン

2019/05/15