「ジスロマック」淋病治療での解説とレビュー
ジスロマックはアジスロマイシンを含む薬で、大手製薬企業会社ファイザーから発売された薬です。
最初に世界で発売されたのは1991年となっており、現在でもよく利用される抗生物質として最前線で活躍している、非常に歴史のある薬です。
ジスロマックはクラミジア系の真菌を原因とする感染症でよく利用されますが、淋病の治療でも利用が検討されています。
淋病の治療ではどのようにジスロマックを利用するか紹介します。
淋病治療におけるジスロマックの飲み方
淋病を治療する場合は、ジスロマックに含まれるアジスロマイシンを2000mg(2g)、1回服用する方法が検討されています。
ジスロマックには「ジスロマック250mg」「ジスロマック600mg」など、名前の後に数字が書いてありますが、この数値が有効成分であるアジスロマイシンの量となります。
つまり、ジスロマック250mgでは8錠、ジスロマック600mgでは3.3333...錠となります。(*淋病治療ではジスロマック600mg錠は使わないほうがよいでしょう。)
なお、このジスロマックを2000mg(2g)服用して淋病を治療するため、「ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g」というものがファイザーから発売されています。
この「ジスロマックSR ドライシロップ2g」であれば、この薬の用法に従ってそのまま飲むことで治療が完了となります。
ジスロマックSR ドライシロップ2gの飲み方
ジスロマックSR ドライシロップ2gは、このアジスロマイシン2000mg(2g)服用のために作られた薬のため、非常に飲みやすい作りとなっています。
薬が処方されるときはボトルが一つ渡されます。
このボトルの中にはアジスロマイシン2000mgが入っており、ボトルの中に直接水を入れて薬を溶かして飲みます。
飲み終わったらボトルは不要なので捨てて問題ありません。
飲み終わり後にアジスロマイシンが少し口に残ってしまうことがありますが、水であれば一緒に飲んでも問題がないので、追加でもう一杯水を飲んで口をゆすいでも問題ありません。
抗生物質の効果をしっかりと維持するために、薬の服用は食後2時間以上空いている時間に飲みましょう。
また、薬を飲んだ後は、食事を取るまで2時間以上時間を空けなければいけません。
ジスロマック250mg錠の飲み方
ジスロマック250mgを服用する場合は、一気に8錠まとめて水で飲みましょう。
また、ジスロマックSR ドライシロップ2gと同じように、食後2時間以上空けてから薬を服用し、食事をする際は服用後2時間以上空けてから取るようにしましょう。
ジスロマックは副作用が少ない優れた薬ですが、服用後は副作用に注意しておきましょう。
最も発生頻度が高い副作用は、吐き気や胃痛、下痢などです。
これらの症状が出た場合は、医師に相談しましょう。
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淋病治療においてジスロマック使用の優先度はどれぐらいか
病気の治療は一般的に、いくつか治療できる可能性がある薬に優先度が付いています。
薬の効果や安全性、治療のしやすさなど、いくつかの観点から評価して、第1選択薬、第2選択薬といった順番がついています。
淋病治療におけるジスロマックの優先度ですが、実はそこまで高くありません。
現在、病院で利用される淋病治療の第1選択薬は「セフトリアキソン」や「スペクチノマイシン」となっています。
これらの薬は注射薬で、注射によって投薬されます。
これらの薬が第1選択薬となっている理由はいくつかあります。
- 淋病は治療管理が甘くて完治できないと、菌が耐性を付ける可能性がある
- 感受性(効果を発揮する確率)がほぼ100%である
- 淋病患者が再度病院に診察に来る確率が低い
淋病は2018年に多くの抗生物質が効かない、耐性の非常に強い淋病菌が海外で発見されました。
もともと、過去に治療薬とその効果を正しく理解しないままとりあえず薬を乱発をしたことなどが原因で、淋病の菌が様々な抗生物質に耐性を付けてしまったという背景があります。
そのため、感染した淋病の菌によっては、特定の抗生物質が効かない菌が存在したり、多くの菌がすでに耐性を付けてしまったために、廃止になった薬もあるのです。
つまり、淋病菌は常に進化しており、将来いつ「不治の病気」になっても不思議ではありません。
不治の病気にさせないためには、治療の管理が必要です。
菌の耐性が付く原因の一つには、完全に菌を死滅させないまま、薬の服用をストップしてしまうことなどが考えられます。
ちゃんと処方された薬をすべて飲み切ってください、と医師から言われることがありますが、これは体の調子がよくなっても菌が残っている可能性があり、完全に死滅させなければいけないからなのです。
とはいえ、患者側もそういった事情を知らずに治療を受けていることも多く、そのため再度検査を受けに来ないことも多くあります。
医師としては、薬を使った以上必ず死滅させなければ、耐性菌を生み出す原因となってしまうため、確実な治療方法を選択しなければいけません。
そうすると、現在日本の淋病菌には、「セフトリアキソン」や「スペクチノマイシン」はほぼ100%効果があり、そのため再検査も不要とされていることから、これらの薬が最初に選択されるのです。
しかし、薬に対するアレルギー問題などもあり、代替案は必ず必要で、現在日本の性感染症学会から発表されているガイドラインでは、上記の「セフトリアキソン」や「スペクチノマイシン」がアレルギーの場合は、セフィキシムという薬や、ジスロマックのアジスロマイシンが検討できるとされています。
ただし、セフィキシムはある程度効果がでる確率が明らかになっており、実績もあることから、おそらくセフィキシムとアジスロマイシンでは、セフィキシムが優先される可能性が高いです。
アジスロマイシンも一定の効果があることは認められていますが、海外ではすでに耐性を付けている菌がいることが報告されており、また日本国内でもアジスロマイシンで治療効果があまり出なかったという報告も多数あるため、積極的に使う薬として位置づけられてはいません。
淋病における治療薬の優先度を、大雑把にまとめると以下になるでしょう。
(*感染患部や具体的な症状などは考慮していません。)
- 「セフトリアキソン」か「スペクチノマイシン」(注射薬)
- 「セフィキシム」(経口薬)
- 「アジスロマイシン(ジスロマック)」(経口薬)
淋病といっても、感染している菌によって、効く薬と効かない薬が存在しており、また耐性菌を作らないためにもしっかりと完治させることの重要性を理解しておきましょう。
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2019/04/30