「クラリス」クラミジア治療での解説とレビュー

クラリスの概要

クラリスは様々な細菌感染症や炎症に用いられます。クラミジアの他、皮膚の感染症や外傷後の二次感染予防、咽頭炎、扁桃炎、肺炎、中耳炎など、幅広い診療科にわたって使用されている抗菌薬です。この他、非結核性抗酸菌症やヘリコバクター・ピロリなどに対しても用いられています。

クラリスはマクロライド系に属する抗菌薬です。現在クラミジア治療に最も使われている薬は、同じマクロライド系の中でもより新しく開発されたジスロマックとなっています。

クラリスの有効成分はクラリスロマイシンで、同じ成分を含んでいる薬としてクラリシッド、クラシッドがあります。これらは販売しているメーカーが異なるだけで、治療効果はどれも同じです。

クラリスの飲み方

1日2回、朝・夕に分けて1錠(200mg)ずつ、合計2錠(400mg)服用します。

これを7日間続けます。

クラリスの特徴

マクロライド系に属する抗菌薬の中でも比較的新しい薬です。もともとマクロライド系にはエリスロシンという薬がありますが、エリスロシンは胃酸によって吸収が悪くなるという欠点がありました。この欠点が改善され、クラリスは酸よる影響を受けずに安定した効果を得られるようになりました。クラリスは1日2回、7日間の服用が必要ですが、1回のみの服用で効果が1週間持続するように改良されたものが新しいマクロライド系の薬であるジスロマックです。飲み忘れの心配をしなくて済むという理由からも、現在ではクラミジアに対する第一選択薬はジスロマックとなっています。

クラリスの効果

クラリスはマクロライド系に属する抗菌薬で、有効成分はクラリスロマイシンです。マクロライド系の抗菌薬は、細菌のタンパク合成を阻害することによって細菌の発育を抑え、死滅させることで抗菌作用をもちます。

細菌を死滅させることで、細菌によって生じていた炎症を抑え、腫れや発赤、痛みなどを改善させます。

クラリスの副作用

副作用としては、下痢や腹痛、嘔吐、胃痛などの胃腸症状や、発疹やかゆみなどのアレルギー症状がみられることがあります。この他、頻度は下がりますが、めまいや頭痛、耳鳴り、食欲不振、倦怠感なども報告されています。

服用の注意点

マクロライド系の抗菌薬に対してアレルギーをもっている場合は使用しないでください。アレルギー症状としては、まず発疹やかゆみが現れ、その後目の充血や口の中の粘膜に水ぶくれが生じ、悪化すると高熱が出て、全身に水ぶくれがみられるようになります。

また、肝臓、腎臓の機能が悪い方、心臓に病気のある方も注意が必要です。

併用禁止の薬としては、統合失調症や自閉症に使われるピモジド(商品名:オーラップ)、肺高血圧症に使われるタダラフィル(商品名:アドシルカ)、片頭痛に使われるエルゴタミン(商品名:クリアミン)、C型肝炎に使われるアスナプレビル(商品名:スンベプラ)、バニプレビル(商品名:バニヘップ)、睡眠薬であるスボレキサント(商品名:ベルソムラ)などがあります。これらの薬と併用すると、効果が増強されてしまうため、注意が必要です。

また、妊娠中や授乳中の使用は赤ちゃんに対する安全性が確立していないため、控えてください。

2017/01/02